産学官連携

ウチヤマグループは、1971年の創業以来「社会に必要とされる会社」「社会貢献できる会社」となることを目標に事業活動を続けてまいりました。

当社グループの中核をなす介護事業は、高齢化社会が進む現状において、なくてはならない事業となっています。一方で、人口減少が進む中、医療や介護の担い手不足の懸念とともに、先端技術の活用などによる現場の生産性向上や、少子化対策を早急に推進することの重要性が示されています。

ウチヤマグループでは、産学官の連携を通じて、高齢者ひとりひとりが夢をもち、その実現に向けて活動することで、心身ともに健康な生涯をおくることができるような社会の実現、また、高齢化社会共通の課題解決と新たな需要の発見、それに伴うソリューションサービスの開発といった、将来の社会課題解決に向けた取り組みを推進しています。

NO.1 口腔ケアによるQOL向上

2014年10月に、九州歯科大学及び(公財)北九州産業学術推進機構との間で、医療・介護分野における連携協力協定を締結。口腔ケア分野において、より質の高いサービス提供とQOL(生活の質)向上に繋がる取り組みを推進しています。

2015年には九州歯科大学内に寄附講座「高齢者支援学講座」を開設。医療・介護分野における新たな研究成果の開発を行う中で、先端的かつ幅広い視野を有する人材の育成、新規技術の創出に取り組んできました。

また、社内においては、社内認定資格「口腔保健衛生指導者」制度を新設し、2022年3月までに、のべ1562人の職員が資格を取得しました。介護職員の口腔ケアに関する知識・技術の向上を継続的に促進することで、誤嚥(ごえん)性肺炎による入院者数の減少など、具体的な成果となって表れています。

No.2  「ライフマップ」で生きがいづくり

2014年11月、国立大学法人九州大学が採択された文部科学省の「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)」「大学等シーズ・ニーズ創出強化支援事業(COI ビジョン対話プログラム)」の「高齢者の視点からのソーシャルインクルージョンCOI」事業に参画しました。

九州大学大学院の平井康之教授による「インクルーシブデザイン」の手法を用いたワークショップを、介護施設の職員と九州大学の学生とで共同開催。インタビュー形式で入居者様の生の声に耳を傾けることで、リアリティある気づきが多く生まれました。

その成果として、入居者様のこれまでの「思い」とこれからの「願い」を、介護職員との対話により可視化していく「ライフマップ」というツールを共同開発しました。既存の「ケアプラン」作成では引き出せなかった入居者様の想いを引き出し、入居後の「ライフプラン」をご自身で設計し実現していただくための「生きがいづくり」とその実践に取り組んでいます。実際の取り組みについては、ウチヤマタイムズ ON THE WEBで具体的な事例を紹介しています。

No.3 IoTを活用した介護業務の生産性向上

2017年6月、国立大学法人九州工業大学、Yahoo! JAPAN グループである株式会社IDCフロンティアと当社は、高齢者介護施設においてIoTセンサーとビッグデータ分析を活用した介護・看護職員の行動記録と機械学習による行動認識・業務分析の実証実験を実施し、業務効率化や高齢者の転倒予防など、介護現場の改革を推進してきました。

実験データの分析の結果、介護職員の一日の業務のうち、特に記録に関する業務に多くの時間を割かれていることが判明しました。そこで、九州工業大学の井上創造教授の主導のもと、協同で開発を行ったスマートフォン用の介護記録アプリ「FonLog」を導入することで、記録業務に関わる時間の約4割を削減することに成功しました。

現在は、介護記録自動入力化の精度を上げるためにビッグデータの検証を行いながら、他の事業者とも連携することにより、介護業界の社会課題解決につながるソリューション創出を目指しています。

ページの先頭へ