仕事に趣味に、全力人生!

ライフマップで生きがい発見!! story16
さわやかひがしおおさか館
【大阪府東大阪市】

 昭和7年7月22日生まれ、現在88歳の池田様。独居生活を心配した娘様と一緒にお住まいでしたが、娘様は仕事をされていてご自宅での生活が難しくなってきたこともあり、2019年7月10日にさわやかひがしおおさか館へ入居されました。そんな池田様に「ライフマップ」を使ってこれまでの人生を振り返っていただきました。

池田様のライフマップ

 池田様は兵庫県生まれ。子どものころには戦争を体験されています。当時の事を聞くと「ややこしい時やった」と仰られ、忘れられている部分もあるようで、多くは語られませんでした。

 ご主人とは23歳で結婚し、お二人の娘様に恵まれました。その後、田舎での生活に不便があったため大阪へ出て来られました。40歳の頃からはご主人と北京料理店を営まれたそうです。大きな釜でスープを仕込んだりと、体が丈夫でテキパキと動かないとできない仕事だった、戦争のようだったと振り返っておられました。

 仕事に励む一方で、趣味で日本舞踊をされていた池田様。5分踊るために40万~50万円かけて衣装やカツラを自前で用意し、京都の南座やNHKホールでも踊られたことなど、ひときわ目を輝かせながらお話してくださりました。また、お金のかかる趣味に対して、ご主人の理解があり続けたことを感謝しておられました。「したらアカンと言ったことない」「荷物を運んで観に来てくれた」と教えてくださり、夫婦仲が良かった様子が伝わってきました。

 仲良くされている入居者様には90歳を超えている人も多く「見習わなアカン」と仰られています。実際、ご自身の体調管理や転倒予防には普段からとても気を遣っておられます。周りに迷惑をかけないようにと気遣われる池田様の性格が、繰り返し口にされる「用心している」という言葉から感じることができました。

 今回ライフマップから見えてきたのは、他界されたご主人と過ごされた日々を懐かしみつつ、踊りを続けてきたことを誇らしく思われる池田様の姿でした。ライフマップを作成中は「あんまり趣味ないからなあ」と話されていた池田様ですが、踊りのほかに着付けや書道もされていたようです。カラオケや生け花もお上手で、先日のレクリエーションでご自身が生けたお花を部屋に飾り楽しんでおられます。

 このコロナ禍、ひがしおおさか館でも感染予防のために面会制限をしたり、レクリエーションや行事をフロアごとで規模を縮小したりして行っています。池田様は趣味の踊りについて「踊ることはもうできないが、大好きなので観て楽しみたい」と話されていました。現在は踊りのボランティアを施設に呼ぶことが難しいため、コロナが落ち着いてくればぜひ企画したいと思っています。

 どんなことでも進んで参加してくださる池田様。その前向きな気持ちをこれからも持ち続けていただけるよう、様々な機会を提供してまいります。

(武本津代美 北嶋京子)

ライフマップ作成の様子

※写真・文章は、入居者様ご本人およびご家族様の許可を得て掲載しています。