どんな境遇にも負けず、前向きに進もう

【東日本大震災から10年】

 今から10年前の2011年3月11日、14時46分に東北地方で大地震が発生しました。規模はマグニチュード9。その直後には大津波が陸地を襲い、多くの方が犠牲になりました。これまでに確認された震災による死者・行方不明者の数は、避難生活などで亡くなった関連死を含めて2万2千人にのぼります。被災地ではまだ復興の道半ばで、仮設住宅に今も住んでいる方が多くおられます。福島県では原発事故の影響で3万人以上の方が地元に帰れず避難生活を続けています。今私たちが生きていること、何不自由なく生活ができること、健康な体で仕事ができることにも感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。

 10年前の大地震や、今回の新型コロナウイルスによるパンデミック、テロや金融パニックなど、私たちはいつどこで、どんな場面に遭遇するかわかりません。社会情勢は日々変化していますが、どんなときでも最大限に守るべきものは「人」であり「命」です。

 ウチヤマグループで行っている仕事は事業内容によってそれぞれ違いますが、すべての事業に共通して言えるのは、高齢者の生活を守ること、人間の生命の源となる食事の提供をすること、人間の楽しい、嬉しい、美味しいといった感情に寄り添うことなど、私たちの生活に欠かせない大切なことをサービスとして提供させていただいているということです。人が日常生活を維持していくために、無くてはならない職業に就いている人々を意味する「エッセンシャルワーカー」という言葉が、昨年から多く聞かれるようになりました。東日本大震災で命を落とした多くの方々のご冥福をお祈りするとともに、私たち一人ひとりが広い意味でのエッセンシャルワーカーであることに誇りを持ち、これからも地域の方々の生活に寄り添いながら、喜ばれるサービス提供を行っていきましょう。

【型にはまらず考えよう】

 英語の格言で「Think out of the box」という言葉があります。日本語に訳すと「型にはまらず考えろ!」という意味です。私はいつも社員の皆さんに「できない言い訳ではなく、できる方法を考えよう」と言っています。できないと嘆いたり愚痴を言ったりしても、状況は何も変わりません。「やる!」と決めてできる方法を考えていくと、100%はできなくても、50%は実現することができるかもしれません。ちょっと違った見方、やり方を考えれば、思いがけない方法で実現できることがあるかもしれないのです。プラス発想で何事も前向きに取り組むことが、成功者への道を拓くきっかけになります。

 現在、新型コロナウイルスの影響を受けた多くの企業が赤字や倒産に追い込まれています。当社でも飲食・カラオケ事業やホテル事業においては大きく売上を落としています。想定外の事態が発生し、今までのやり方や常識が通用しなくなった時にどういう行動をとるかで、その会社や個人の実力が試されます。

 大分県別府市にあるさわやか倶楽部の温泉ホテル「さわやか別府の里」では、昨年の緊急事態宣言をきっかけに始めたお弁当の販売がたいへん評判を呼び、毎日50個以上の注文が入っています。職員が毎日手作りする弁当は彩りもよく、インスタグラムで見映えの良い写真を公開し続けることにより、今では大分市内など遠くからわざわざ買いに来られるお客様もいるそうです。諦めずに何事にも挑戦する熱意と姿勢は、地域の方々に着実に伝わり、ファンが増えています。

 私たちは、考え方や気持ちの持ち方次第で「できない」を「できる」に変えることができます。成功者は、周囲が無駄だと言うような時でも、人と出会い、話し、新しい知識や経験を増やすことを習慣にしています。興味のないことも人生の勉強だと考えて触れてみれば何かの発見があり、それが新たな気づきになることもあります。素晴らしい人との出会いや有益な話など、いつどこで学びの機会を得られるかわかりません。コロナ禍で苦しんでいる今こそ『行動すれば何かが変わる!』という意識を持ち続けて実践してみましょう。

ウチヤマグループ代表 内山文治