激変する社会の中でどのように生きるべきか

【変えるべきものと変えてはいけないもの】

 コロナ禍に突入して1年以上経過しましたが、感染症の拡大はいまだに収まらず、現在も各地で緊急事態宣言をはじめとする行政からの要請により、ボナーの飲食店・カラオケ店などでは時短営業や休業を余儀なくされています。先日は当社の決算を発表しましたが、昨年度は新型コロナウイルスの影響により大きな打撃を受けており、今年度も先行きが不透明な状況が続いています。一日も早い事態の終息と経済の安定化が望まれます。

 新型コロナウイルスをめぐっては、現在ワクチンの接種が進められている一方で、より感染力の強い変異型のウイルスが拡大するなど、状況は日々刻々と変化しています。社会情勢の変化が激しく起こる中で、正確な情報をいち早くつかんで的確な判断を下し、統制の取れた組織のもとに素早く対処していく必要があります。

 しかし、時代が変化しても変えてはならないものもあります。「どんな時でも変えてはならない原理原則」と「変化させていかなければいけないもの」の見極めが大切です。私自身、今年4月から会長という立場になり、経営の主なかじ取りを山本新社長にバトンタッチました。組織のあり方は時とともに変化していきますが、社長が変わってもウチヤマグループの基本理念が変わることはありません。「慈愛の心」「尊厳を守る」「お客様第一主義」という理念のもとに、お客様にいかに喜んでいただくかを常に考えながら、その時々の時代に合ったサービスの形に変えて提供し、社会に貢献していく必要があります。

【2匹のカエルの明暗】

 ビジネスの世界でも、自分の人生においても、すべてが順風満帆でうまくいくことばかりではありません。何か大きな壁にぶつかった時にどう過ごすか、どう行動するかによってその後の状況は大きく変わってきます。ここで2匹のカエルの話をします。

 ある日、2匹のカエルが液体の入ったバケツに落ちてしまいました。飛び出そうとしてもバケツの淵までは遠く、届きそうにありません。2匹のうちの1匹は助からないという状況を受け入れて、泳ぐことを諦めてしまいました。しかしもう1匹のカエルは、何とか生きようと手足をバタつかせて泳ぎ続けました。すると、急に固いものが足に当たり、それを足場にジャンプするとバケツから出ることができました。実はバケツの中身は牛乳で、手足をバタつかせている間に固まってバターの塊ができたのです。

 私たちは、日々様々な状況に立たされます。良い時もあれば、悪い時もあります。自分自身が思ってもみなかった悪い状況に陥った時、皆さんはどうしますか?悲観的に物事を捉えて、後悔の念にかられ、世界が終わったかのような感情に押しつぶされそうになったことはありませんか?

 そんな時でも、2匹のカエルの例にあるように、状況を変えようとするかしないかで結果は大きく変わってきます。一番悪いことは、結果を恐れて何もしないことです。ただ考えるだけでなく、行動に移すことが大切です。成功するか失敗するかは神様しかわかりません。しかし神様は、私たちに乗り越えられない試練は与えないと言います。だからこそ、自分の限界を自分で決めるのではなく、常に挑戦する心を持って自ら考え、積極的にプラス発想で行動しましょう。

 今年の6月4日で、ウチヤマグループは創業50周年を迎えます。これからも変わり続ける環境の中で、変わらない基本理念を念頭に置きながら、時代に求められる形へとサービスを変化させていきましょう。そして、たとえ困難な状況になっても決してあきらめることなく、前向きに挑戦を続けながら、次の50年へと続く歴史を一緒に作っていきましょう。

ウチヤマグループ会長 内山文治