実は私、介護施設で働きながら○○やってます。

さわやか鳴水館（福岡県北九州市）
宇土（うと）　憲伸郎（けんしろう）さん

　2023年５月から、(株)さわやか倶楽部が北九州市で運営する介護付き有料老人ホーム「さわやか鳴水館」で働いている宇土憲伸郎さん。本業は、プロ野球独立リーグ・ヤマエグループ九州アジアリーグに所属する「北九州下関フェニックス」の選手として活躍しています。

「ホリエモン」の愛称で知られる実業家の堀江貴文さんが「福岡北九州フェニックス」という名前で2021年に野球チームを発足し、2023年のシーズンからは「北九州下関フェニックス」と名前を変えて、北九州市や下関市などの球場をホームに活動しています。(株)さわやか倶楽部の親会社、(株)ウチヤマホールディングスが今年からフェニックスのスポンサーになったことをきっかけに、球団関係者から選手の練習終了後の時間を有効活用する方法についてウチヤマホールディングスの山本社長に相談があり、さっそく「さわやか鳴水館」において夕方から夜間にかけての入居者様の見守り、配膳や館内の清掃などを宇土選手が担うことになりました。

　そんな宇土さんとはどんな方なのか？さわやか鳴水館で勤務中のご本人にインタビューしてきました。

宇土選手のプロフィール

長崎県島原市出身の24歳。父がソフトボールチームの監督をしていたことから兄・姉とともに５歳からソフトボールを始め、小１から野球チームに入る。高校は諫早市の創生館に進学し、２年生の夏は甲子園にショートのレギュラーで出場。１回戦では強豪の天理を破り、２回戦は健大高崎に惜しくも敗れる。その後、社会人野球の「熊本ゴールデンラークス」に入り、野球をしながらチーム母体のスーパーマーケット「鮮ど市場」の青果担当として４年間働く。チームが2021年3月に開幕した独立リーグ「九州アジアリーグ」の所属となり、そこで１年間プレーした後、2022年2月に「福岡北九州フェニックス（当時）」に入団。内野・外野の複数ポジションをこなせる俊足巧打のユーティリティプレーヤーとして、2023年シーズンも開幕から活躍している。

宇土選手に一問一答

－北九州下関フェニックスに入団した理由を教えてください。

火の国サラマンダーズでの最後の１年間は、デッドボールを受けて左足を骨折したこともあり、満足のいく成績が残せませんでした。違うチームで自分の力を試したいと思っていたところ、九州アジアリーグの創設者の一人、田中敏弘さんから声をかけていただき、フェニックスを紹介していただきました。

－さわやか倶楽部の施設で働くことになったきっかけは何ですか？

昨年は野球だけの生活をしていました。試合のない日は朝９時から午後１時、２時までチームで練習し、その後は個人でウェイトトレーニングなどのプログラムを行っていました。2023年の2月に入籍し、家族の生活を支えるためにもアルバイトをして収入を増やしたいと思い、球団の方に相談してさわやか倶楽部を紹介していただきました。今は平日の週に２～３回、さわやか鳴水館で夕方から勤務しています。

－具体的にはどのような仕事をされていますか？

３階のフロアを担当しています。翌日の食事の内容をボードに書いたり、お茶を配ったり、コップを洗ったり、廊下のモップ掛けを行ったりしています。仕事の合間にはフロアの共用部におられる入居者様と会話をしています。

－老人ホームで仕事を始めた時の印象はどう感じましたか？

トイレの介助や食事のサポートなどは見ているだけですが、思っていたより大変そうだと感じました。また、オムツ交換なども、職員の助けがないと入居者様だけではできないことなので、本当に人の役に立つ仕事であることを実感しています。

－野球以外の趣味など、休日はどのように過ごしていますか？

釣りが好きなのですが、最近はあまりしていないですね。家族は長崎に住んでいて、私は北九州市内の寮で15人くらいのチームの仲間と共同生活をしています。休みの日は寮の屋上でバーベキューをしたりして楽しんでいます。

－今年の野球での目標を教えてください

NPBのチームからドラフトで声がかかるように、フェニックスでしっかりと成績を残したいです。昨年はチームが２位で、前に所属していた熊本のサラマンダーズが目の前で優勝した瞬間を見ていました。サラマンダーズはその後地域リーグ日本一にもなったので、今年は何としてもやり返したい、まずはリーグで優勝して、日本一になりたいです。昨年は守備で６つのポジションを守り、走塁も得意です。今年は打率も３割台で終われるように頑張ります。