「今、できること」から始めよう

【職員による自主的な取り組み】

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「緊急事態宣言」が4月7日に発令され、ボナーが運営するカラオケ店や居酒屋でもほとんどの店舗で営業を自粛することになりました。5月15日には一部の地域を除いて緊急事態宣言が解除されましたが、都道府県単位ではカラオケ店に対する休業要請を継続しているところもあり、営業面では厳しい状況が続いています。

 5月のゴールデンウィークが明けても緊急事態宣言が延長されることが決まった時、臨時休業が続いていたボナーの居酒屋部門では「今自分たちができることで会社に貢献したい」、「スタッフの雇用を守りたい」という声が社員から聞かれるようになり、歌野社長の呼びかけで昼間のランチ提供と弁当などの販売を中心に、5月7日から一部の店舗で営業を再開しました。さっそく地元のテレビ局から取材が入り、「ハイボールバー銀天街1923」の店頭で舩津店長がテイクアウト商品を販売する様子が紹介されました。

 売上が元通りに回復するまでにはまだまだ時間を要することになりそうですが、これまで会社に貢献してくれた社員やアルバイトスタッフの雇用を維持していくことは、企業としての社会的な責任であることを、最近は特に身をもって実感しています。

 カラオケ部門でも、休業要請が解除された地域から順次営業を再開しています。久しぶりに営業を再開した店舗では、歌えるのを待ち望んでいたお客様が笑顔で来店されているそうです。地域のお客様のためにお店を守っていくことは私達の使命であり、だからこそお客様に愛される店づくりをする必要があります。引き続き感染症対策を十分に行い、お客様と職員の安全に配慮して少しずつでも営業店舗を拡大していくことで、地域社会が活気を取り戻せるようにお手伝いをしていきましょう。

 また、さわやか倶楽部が運営しているホテル「さわやか別府の里」でも、宿泊客の減少が続く中で、職員たちが自らできることをしようと立ち上がり、お弁当の販売を開始しました。近隣の住宅や企業などに職員がポスティングで1件ずつチラシを配っていったところ、少しずつ注文が入るようになり、安くて味もおいしいとの評判から口コミが広がって、今では毎日50個以上の注文が入るようになっています。

【今こそ諦めずに行動しよう】

 今回のコロナショックは、様々な業種に影響が広がり、2008年のリーマン・ショック以上の不況になると言われています。そんな中で、コロナだから、休業要請だから仕方がないと諦めて何もしないのと、皆で知恵を出し合い、どうしたらこの危機的な状況を乗り越えられるのか、そのために今何ができるのかを考えるのでは、その後の結果が大きく変わってきます。店舗が休業になって休みを取っている間にも、自己成長のチャンスととらえて読書をしたり、業界の動向について勉強したりすることで、営業を再開した時にはすぐに業績アップに向けて動ける態勢を整えましょう。

 さわやか倶楽部の各施設では、自らも感染のリスクを負いながら、高齢者の介護や児童の見守りのために多くの職員が働いています。感染症対策をしっかりと実施してくれているおかげで、当社の施設においては、5月15日の時点でお客様への新型コロナウイルスの感染は発生していません。そんな皆さんの努力へ感謝の気持ちを表すとともに、全国で活躍されている医療・介護従事者の方々へ敬意を表して、本社で毎週金曜日に感謝の拍手を送る「フライデー・オベーション」を実施しています。また、ボナーの売上に少しでも協力しようと、当社の居酒屋が作るお弁当を本社でも社員が毎日注文して取り寄せています。私たち一人ひとりにできることはわずかなことでも、仲間を思う気持ちが伝わることで、会社や社会にとって大きな激励の力になります。今、できることを一人ひとりが考え、行動しましょう。その努力の積み重ねが企業を継続させ、皆さんの働ける場所、成長できる場所を確保することになるのです。

ウチヤマグループ代表 内山文治