人生の輝きを取り戻すために…

ライフマップで生きがい発見!! story12
さわやかおおみや館【埼玉県さいたま市】

 三宅様は昭和9年1月7日生まれの86歳で、東京・日暮里生まれ。お母様が早くに亡くなられ、祖父母に育てられ妹様が一人いらっしゃいます。幼少期は戦争で疎開し、終戦後に帰ったらお父様が再婚をされていて新しい母親がいたそうです。その時はあまり嬉しいとは思わなかったものの、後にできた3人の兄弟・姉妹とは仲が良く、今でも交流があるとのことです。

 若い頃に知り合った旦那様は同じ会社の同僚で、社内の社交ダンスでペアを組んで優勝し、賞金の海外旅行で仲良くなって結婚されたそうです。26歳で結婚し、29歳で長女様、その後次女様を出産。ご主人は他界されましたが、二人の娘様は今も三宅様と仲が良く、交代でご面会に来られています。

 そんな三宅様ですが、長女様と同居していた2019年3月に入れ歯を飲み込んでしまいます。帝京大学病院に入院して気管切開手術で取り出し、リハビリの為5月に別の病院へ転院となりました。その後、2019年7月に再び帝京大学病院に入院し、前回手術の管を抜く手術をされるなど、何度か転院を繰り返されています。退院後には自宅での生活も考えられましたが、同居している長女様は仕事もされていて自宅にいることが少ないため、自宅での生活に戻るのは困難と判断されました。そうして色々と施設を探される中で、見学時におおみや館を気に入ってくださり、入居となりました。入居当初は車いすで生活され、入れ歯が無いため食事もおかゆが中心で、なかなか周りの方達とも馴染めず孤独を感じられているようでした。

 少し時間がたつと、職員とは少しずつ会話をされ明るくなって来た様子が見受けられました。次はどなたにライフマップで聞き取りをさせていただこうかと思案中でしたので、「これを機に三宅様の本当の思いをお聞きし、おおみや館での生活を楽しんでいただこう」と考えました。そこでご本人様、娘様にライフマップのことをお話しすると快く引き受けてくださいました。そして、ライフマップを使って三宅様の今まで生きてこられた人生や思い、今後の希望などを知りました。


三宅様のライフマップ

-私たちにできることは?
「やっぱり社交ダンスでしょ」

ということで、職員も協力させていただき、三宅様をリーダーとした社交ダンスクラブを作ることを目標にしました。まずはしっかりと食べていただく。そして元気にリハビリをしていただく。目標が明確になり、ご本人様が望まれていた普通の食事に戻すことに注力しました。

 最初は柔らかいごはん、おかずは刻みからスタートしました。入れ歯は食事の時だけ使用し、車椅子からの立ち上がりのリハビリも始めました。リハビリ担当の先生の指導日はもちろん、それ以外の日にも先生からのカリキュラムを勉強して職員がリハビリを行いました。娘様にもご協力いただき、面会の日にもリハビリを行ってくださいました。そのおかげで三宅様はみるみる回復され、車いすから歩行器になり、食事も普通食になりました。職員の見守りは必要ですが、歩行もできるようになりました。

 これからいよいよ社交ダンスへ!と思った矢先、娘様達の希望で三宅様はご自宅の近くの施設に移ることとなりました。三宅様が一番輝いていた頃の社交ダンスの思い出を再現することができず残念ではありましたが、ご本人様だけでなく娘様からも「感謝しきれない」とのありがたいお言葉を、涙とともにいただきました。私達職員も、三宅様との生活の中で「思いと希望、輝く人生は、大きく人を変える」ということを教えていただきました。これからも三宅様からいただいた学びと介護の喜びを胸に、入居者様の心をしっかり支えていきたいと思います。

(梅村 美智子)

※写真・文章は、入居者様ご本人およびご家族様の許可を得て掲載しています。