趣味の園芸で生きがいづくり

ライフマップで生きがい発見!! story26
さわやかふか家の里(埼玉県深谷市)

  N様は、以前入居されていた東京都八王子市のグループホームで2021年7月に転倒され、第一腰椎を圧迫骨折されました。それ以来車椅子での生活となり、認知症の進行を心配されたご家族様が転居先を探され、2021年8月10日にさわやかふか家の里へご入居いただきました。ご入居後も車椅子より頻回に立ち上がるなど、落ち着かない様子が見られていましたが、自分で歩きたいというご本人様の意思を尊重して職員が常に付き添いながら歩行介助を行ってきました。理学療法士によるリハビリの介入も行い、少しずつ歩行も安定するようになりました。

 そんな状況の中、11月12日に本社の指導のもとでライフマップの研修が行われました。その研修を通じて、N様が落ち着いて安心して過ごせるようになるにはどうすればよいか、ご本人様の希望を聞いてみたいと考え、N様のライフマップづくりに取り組みました。

N様のライフマップ

「お花を少し育てたのよ。きれいにしたいって思うじゃない。玄関に生けたりしてね」

 人生の振り返りの中で、過去に園芸をされていたご様子がうかがえました。以前、娘様からもお花が大好きだったとお聞きしていたことを思い出し、施設内でお花の手入れをしていただくことをご家族様にも相談すると、快諾していただきました。そして、玄関脇にあるプランターのお花を立位状態でも手入れできるよう、すぐにプランターを乗せる台を用意してくださいました。

 N様の歩行練習を兼ねて、定期的に玄関に出てお花を見ていただくと「土が渇いていて、お水をあげないとかわいそう」と話しながら、ジョウロでお水をお花にまいてくださいました。その後も、娘様との面会時にはN様と一緒に、お持ちいただいたお花の植え替えや水やりをしてくださいました。その様子を見られた娘様からは、私たち職員の日頃の取り組みに対する感謝のお手紙を頂戴しています。これからは一緒に入居されているご主人様や、お花好きな入居者様とも一緒に、多くのお花を咲かせられるようにお手入れをして、素晴らしい笑顔の花を咲かせていただきたいと思っています。

 今後もライフマップを活用しながら、入居者様お一人お一人が人生の総仕上げのために何を望まれているのかを引き出し、できないと諦めていたことができる喜びと生きがいを味わっていただけるよう、全力で応援していきます。そして、最後まで前を向いてともに歩み、施設での生活を心から楽しんでいただけるよう、職員全員でサービス提供していきます。

(ケアマネジャー・齋藤 美智子)

※写真・文章は、入居者様ご本人およびご家族様の許可を得て掲載しています。