本を執筆したい

ライフマップで生きがい発見!! story45
さわやかさくらのもり(秋田県秋田市)

A様がさわやかさくらのもりに入居されてから数年が経ち、施設生活にもだいぶ慣れてきた頃、「○○がしたい、△△に行ってみたい。」等、積極性がみられるようになりました。施設でのレクリエーションや行事にも参加し、特に生け花や川柳、書道のレクリエーションには毎回欠かさず参加されていました。なんでも、当のご本人は書の先生であったとのこと。ご高齢とは思えないくらい達筆な字を書かれていました。入居者様たちからも「A先生、先生♪」と慕われています。書だけにとどまらず、他入居者様と一緒に居室内で歌を歌ったり、運動したりと交友関係はとても良好の様子です。

こんなA様ですが、ケアプラン更新時に意向を確認するとともに、ライフマップを活用して具体的に何を今後行いたいかを聞いてみました。すると、本人の口から【本を出したい】と言いました。実は今年の春から夏にかけて小説を書いていたのです。

さくらのもりではご家族様だけに毎月配布している[さくらのもりトレンディー]というマガジンで主にその月の行事や出来事、入居者様のご様子を写した冊子です。その中にA様の手掛けた短編童話を掲載させていただきました。題名は【かもしか親子とわたし】というタイトルで、内容に関しては朝方に居室の窓から外を眺めると、親子と思われるかもしかを発見し、A様は無我夢中で手を振ったようです。かもしか親子は青い葉っぱを食べ、子のかもしかに親かもしかが沢山食べなさいといっているように見えたそうです。その後親かもしかに必死についていく子かもしかの姿にほっこりしたという内容でした。今回は短編童話でしたが、ライフマップでのお話ではもっと話の長い小説を執筆したいと話されておりました。

そこで、ケアプランにはご本人の目標、願いが達成されるように大きく、小説を書くという事を目標に、字を書く習慣をつけたり、本のタイトルを決定するなど達成しやすい目標設定から始めました。

その後は私の顔を見るたびに、「字を書くの頑張っているよ。」、「題名は良いの思いついたんだけども、ん~~、もっと良いのがありそうなんだよなぁ。」など話かけてくれます。A様ならきっとよい小説を書くことができますよと言って、お互い笑っています。また、おととしには市の展示会に自身の書を応募し、見事出展されることになり、現地へ外出をし、見に行きました。とてもうれしい気持ちでいっぱいな様子がうかがえました。

人生100年時代。まだまだ時間はあります。無理せずゆっくりマイペースに作成していきましょう。

(計画作成担当者 伊藤 佑樹)