
2024年12月、ウチヤマホールディングス本社大会議室にて「さくら唄 其之肆 名作集選考大会」が開催されました。この川柳コンテストでは、秋田県の介護付きホーム「さわやかさくらのもり」のご利用者様が作成し、これまでに川柳集「さくら唄」としてまとめられた作品の中から選句が行われました。審査は、川柳作家であり、数多くの川柳コンテストの選者として活動されている浮世川柳家・お鶴(おつう)先生が担当され、最優秀句や季節ごとの優秀句を含む名作を選出しました。さらに、お鶴先生による丁寧な解説が行われ、その背景にあるご利用者様の思いやストーリーに、参加者全員が深く共感し、真剣に耳を傾けていました。





このイベントには、全国の100以上の施設がオンラインで参加。各施設のご利用者様が「さくらのもり」の川柳作品とその解説を真剣に視聴され、終了後には「私も川柳を作って応募したい!」という声が多く寄せられました。
受賞作品紹介
【 最優秀句 】
ほおかむり 美人女将の キリタンポ / 鈴木 徳郎 様
【 優秀句 】
お互いの 魔法の言葉 ありがとう / 佐々木 チヱ 様
コーヒーの 香に寄せられて 今は春 / 平澤 静子 様
すれ違う 女人の髪に 花ひとひら / 平澤 静子 様
燕の子 生まれた途端 夏来たる / 平澤 静子 様
さつま芋 しあわせ色に 煮くずれる / 平澤 静子 様
アジサイの 花美しく カタツムリ / 鈴木 徳郎 様 ※お鶴先生の添削が入っています
西施もつ 一輪の花にも 心あり / 平澤 静子 様
梅雨晴や 今日のおやつは ピンクゼリー / 平澤 静子 様 ※お鶴先生の添削が入っています
立冬や 窓打つ風に 鳥せわし / 平澤 静子 様
青春の 歌は忘れじ ハーモニカ / 鈴木 徳郎 様

【最優秀句】鈴木 徳郎様より
この度の「川柳大会」での表彰、誠にありがとうございました。身に余る「クリスタル」の最優秀賞の盾と表彰状を朝に、晩に拝し、あの感動を忘れることはありません。丁度私の83歳の誕生日会に山本社長がご出席下さり、あの感動を忘れることはありません。本当に私で良かったのかと自問自答の毎日です。ありがとうございました。

「秋田と言えばみんなが知っているキリタンポ、美人というフレーズを使用しながら、上五『ほおかむり』が素晴らしいですね!
ほおかむりからちょっと色白の肌が見えるというのは、なんとも色っぽい表現です。」
【優秀句】佐々木 チヱ様より
私が川柳に興味を持ち始めた”キッカケ”は某紙の時事川柳。そして、この度思い掛けずも賞をいただいた作品は、あの戦中戦後の「勿体ない」心で折る新聞、チラシをいつも「ありがとう」と言葉にして生かしてくれるスタッフの方々のお陰です。
遠くインドネシアから来て頑張っているザキさん、バガスさん「ダーリンマカシー」
嬉しい賞をいただいた作品は私も大好きです。ありがとうございました。


「とても温かい句ですね。『ありがとう』という言葉は家族や友達など身近な人にも照れ臭くてなかなか言葉にできないこともあります、それを魔法の言葉と表現されてとても素敵ですね。」
「さくら唄」に込められた思い

「さくら唄」は、「さわやかさくらのもり」がオープン当初より毎月発行している手作り冊子「さくらのもりトレンディー」に端を発する作品集です。冊子では、イベントやレクリエーションの様子を写真で紹介する一方で、利用者様の思いや背景をもっと伝えたいという想いがきっかけとなり、令和2年度に「さくら唄」の第1弾が発刊されました。家族様からの反響も大きく、以降も作品集として成長を続けています。
特に、毎月実施される川柳レクリエーションは、「思いを文字にする楽しさ」を体感できる人気のプログラムです。ご利用者様がその月の出来事や感動を川柳に表現し、メモを見返して笑顔で語り合う様子は、頭の体操になるだけでなく、心温まるひとときでもあります。皆様の作品が形に残ることで、日々の思いや経験が共有され、深い感動を呼んでいます。
未来に向けて ~川柳で繋がる笑顔の輪~



今回のコンテストを通じて、「川柳を作る喜び」と「それを共有する楽しさ」が、多くのご利用者様に広がりました。ご自身の作品が評価されることの喜びや、他の施設の方々との交流が新たな刺激を生んでいます。今後は、全国規模で川柳を募集し、より多くの施設やご利用者様に参加していただけるイベントを開催していく予定です。