ライフマップで生きがい発見!! story4
さわやかレークサイド中の原(福岡県北九州市)
援助があれば行事等の交流参加は可能ですが、認知力低下から能動的に楽しむことが難しい88歳のスエカ様。会話の中で時々見せる笑顔がとても素敵で、アイドル的な存在です。いつも面会に来てくださる息子様も、お母様を大切にされており、周囲の皆から愛されているスエカ様。入居時には園芸が趣味と伺っていましたが、「入居後も継続の希望はあるのか?」「どういった思いをお持ちなのか?」を聞くため、入居後さっそくライフマップを使ってお話させていただきました。
洋裁学校を卒業されたスエカ様。かつては息子様の洋服を手づくりされていたそうです。息子様がお母様を大切にされているのは、幼い頃から愛情深く育てられたためだと伺い知り、微笑ましく、こちらも幸せな気持ちになりました。園芸やお花についてもお話しされ、「お花を習ったり、自宅でお花を育てたりしていた」「やってみたい」と意欲的な言葉も頂けました。
スエカ様の目標年齢は「今99歳。そんなに長く生きなくていい。5年くらい」とおっしゃられました。今99歳と思っていらっしゃるので、目標は104歳になります(実年齢はもっとお若いです)。ケアプラン作成時のサービス担当者会議で息子さんにお見せした際、104歳には息子さんも大笑い。スエカ様の可愛い笑顔がいつまでも見ることができたら、ご家族様も私たちも幸せです。ケアプランには手芸と園芸の2つを取り入れ、サービスを開始しました。
腕に不随意運動があるスエカ様ですが、手芸は本当にお上手で、車椅子のフットレストのカバーなど見事に作り上げられました。園芸は、お花が大好きなお友達の入居者様と3人で、園芸コーナーで育てていただくことにしました。大好きで大得意なことですから、お花を植える際は皆様自然と手が動きます。スタッフも教わることばかり。初めはご自分の趣味のお花作りでしたが、周囲にお気づかいの出来る皆さまは「フロアの食堂が明るくなるように、テーブルに飾って皆に喜んでもらいたい」と新たな目標を持ってお花作りを楽しまれています。また、新しく入居される方にプレゼントするお花も育ててくださっています。
園芸は普段のアセスメントでもよく出てくるキーワードで、ケアプランに園芸を希望される方は多いのですが、園芸が得意でないスタッフが担当になると、「鉢の状態を見に行く」や「水やりする」だけになりがちです。今回は、園芸が得意な介護スタッフにスエカ様の担当をしてもらいました。すると「石灰を撒かないと虫が来る」「この時期はこのお花が植え頃」「冬場、外に出るのは辛いので、室内園芸をします」など、知識があるスタッフならではの会話や対応が生まれました。スタッフ自身の特技や趣味を活かして入居者様に関わることで、入居者様、ご家族様はもちろん、スタッフ、施設もみんなハッピーになれると感じました。
ライフマップは多くの人をハッピーに出来ると思います。これからもライフマップで皆様とハッピーを作っていきたいと思います。
(さわやかレークサイド中の原 小林 さおり)
※写真・文章は、入居者様ご本人およびご家族様の許可を得て掲載しています。