仲間と一緒にやりがいを感じる

ライフマップで生きがい発見!! story28
さわやかシーサイド鳥羽(三重県鳥羽市)

 今回の主役はK様、現在68歳です。

 埼玉県で一人暮らしをされていましたが、2018年の4月に左人工股関節置換術を受け、車椅子がないと生活が送れない状態になり、一人暮らしの継続が困難のため、その年の6月に妹様のいる地元(三重県鳥羽市)の「さわやかシーサイド鳥羽」へご入居いただきました。

 入居当初は「誰かの手を借りないと生活ができないとわかりつつも、この歳で施設入居することに、心の整理がつかない」とすごく落ち込んでおられました。しかし、K様の持ち前の明るさで、男女問わず他の入居者様との関係づくりには時間はかかりませんでした。

 ライフマップの作成の際には「仲のいい人と一緒に活動することが好きで、いろんなことに取り組んできた」と、今までの想い出をとても生き生きとした表情でお話していただけたことが印象的でした。


K様 のライフマップ

 施設の中でやってみたいこととして、何か形に残せるものを作成していきたい!という想いを知ることができました。具体的に伺ってみると、ちぎり絵で四季を描いたり、ペットボトルキャップに色をつけて工作したり、47都道府県の地図を一から作成し、名産や県庁所在地、県花を用いてクイズ形式にしたりと、どんどんアイデアが出てきました。ご家族様にも材料の調達などで協力していただきながら、仲の良い入居者様と一緒に制作を行う時間が日に日に増えていき、K様にとって笑顔がすっかり定番となりました。

 制作意欲の原点は「現在の身体機能を維持して、なばなの里のイルミネーションとお花畑を見に旅行をしようと、同級生と交わした約束を必ず実現させたい!」という強い希望からでした。

 当初は心の整理がつかないと落ち込まれていたK様でしたが、ライフマップで引き出された一つの希望から目標が明確になり、日常生活の活性化が図られました。「心強い仲間が身近にいてくれて、人間関係づくりもコツコツ努力することが実になることを実感できています。こうして、身体機能を維持するためのリハビリ活動が、必ず夢の実現に繋がると信じて楽しみます」とお話しされる様子からは、とても前向きで力強いエネルギーを感じました。

 これからもライフマップをもっと活用し、入居者様の生活がより良く変化し、充実した日々を過ごしていただけるように取り組みたいと思います。

 K様、ありがとうございます。

(ケアマネジャー・村田 絵美)

※写真・文章は、入居者様ご本人およびご家族様の許可を得て掲載しています。