ライフマップで生きがい発見!! Story 1
さわやかレークサイド中の原(福岡県北九州市)
シゲ子様は現在93歳。 ご入居時にお伺いした趣味は「園芸」「大正琴」「習字」でしたが、高齢であることや身体機能などの問題から、以前行われていた趣味を積極的に行うことは難しく、特別な生きがいを持って生活するためのサービス提供は行えていませんでした。
今回「ライフマップ」を使ってお聞きした思いは「100歳まで長生きしたい」というものでした。そして入居6年で初めて知った「手のひらサイズの小さな盆栽」の趣味。ご家族様は「母が自分で言ったのですか?」と驚いておられました。私たちは、どのような目標を持てばシゲ子様のやる気を引き出せるような環境が作れるかを考えました。
今までの生活を誰に伝えたいかお伺いすると、天国にいらっしゃるご両親のことを言われました。100歳の目標まであと7年。「苗から育てる盆栽を7年で立派に育てて、両親へのお土産に持っていこう」というストーリーを考え、サービスを開始しました。
シゲ子様が数十年前に使っていたという盆栽用品を、ご家族様が倉庫から探し出してきてくださると、大喜びされて手に持ち、何度も何度も眺めていました。いざ盆栽作りを開始すると、骨折後で上がりにくいはずの腕が自然と上がっていました。表情は職人さんのようになり、「傾けると景色がいい」という専門的な発言に、周囲のスタッフも驚かされました。
ライフマップを使用する前は、ご家族様も私たちも、シゲ子様が90過ぎの高齢であるということで、これからの生活をどこか諦めていたように思います。盆栽教室を始めてから、シゲ子様は他の入居者様から「師匠」と呼ばれるようになりました。目標の100歳はオリンピック開催の年であることから「オリンピックを見に行く」と言われ、「新幹線で行くのだろうか、飛行機だろうか」という話がご家族様との会話の中にも聞かれるようになり、未来に向けて楽しく過ごす時間を増やすことができました。
(さわやかレークサイド中の原 小林 さおり)