【さわやかすずめのみやが100か月連続満床を達成】
さわやか倶楽部が栃木県宇都宮市で運営する介護付き有料老人ホーム「さわやかすずめのみや」が、今年の5月末で100か月連続の月末満床という素晴らしい記録を達成しました。8年4か月もの長期にわたり、月末時点で1部屋も空室がない状態を維持してきた歴代の管理者の方々と職員の皆さんの努力に、心から感謝しています。
私はさわやか倶楽部を設立した当初から、介護施設を運営するにあたって空室・空きベッドを「0」にすることを全社の目標に掲げてきました。入居される方が増えることにより、売上や利益につながるという経営的なメリットはもちろんありますが、それ以上に、地域社会の中で必要な介護サービスが受けられずに困っておられる方に、当社のサービスを提供させていただくことで、安心で豊かな生活を送ってほしいという思いがあります。
その原点は、私が20代の頃に米穀店の店主として、各家庭にお米を配達して回っていた頃にさかのぼります。お米の配達に行った先では、ご高齢の方が寝たきりだったり体が不自由だったりで、とても不便な生活状態にあるのをたびたび目の当たりにしていました。子供のころから「医者になって世の中の役に立ちたい」と思っていた私は、その叶わなかった夢を高齢者福祉という別の形で実現したいと思うようになり、不動産事業、カラオケ・飲食事業に続いて介護事業に参入しました。
最初に施設を開設する際、他の事業者が運営する介護施設などをいくつか訪問・見学しましたが、中には入居者の方に対して上からの目線で「お世話をしてあげる」という態度で接するような施設もありました。そのような介護に疑問を抱いた私は、当社の施設では入居者様の尊厳をお守りすることを基本理念に掲げ、高齢になっても自分らしい生き方ができる施設づくりを目指してきました。
【地域での信頼を集めよう】
そうした思いをもって建物を作り、同じ価値観を共有して働いてくれる仲間を集め、立派な介護施設が出来上がっても、それを地域の方々に十分お伝えして利用していただかなければ、せっかくの社会資源が無駄になってしまいます。だからこそ、日ごろから地域の方々に寄り添い、必要とされる施設づくりを施設長や管理者だけでなく、職員みんなで意識して行っていく必要があります。
さわやかすずめのみやで今年5月から管理者を務めている大木秀子副施設長は、昨年の5月、コロナの第4波が全国に広がる中で、オンラインを利用した『認知症パートナー』の活動として地域のグループホームの入居者様に対する傾聴ボランティアを行いました。その活動が地元でも評判となり、9月には地域コミュニティラジオにも出演してその時の様子を発信しました。地域で困っている方々のために進んで動く姿勢が伝わっていくことが地元の信頼獲得につながり、100か月連続満床のような結果に結びついたのだと思います。
介護施設は、ただ単に衣食住を提供し、生きていくだけの場所ではありません。加齢や心身の障害により、一人では生活が困難になった方が「その人らしく生きていく」ための場所でもあります。当社の理念をそれぞれの施設職員が共感して実践し、「さわやか倶楽部の介護に出会えてよかった」と一人でも多くの方に感じていただくことで、自然と地域にとって必要な施設になっていくのではないかと思います。現在空室がある施設においても、今ある資源を社会のために有効に活用していただけるよう、自分たちの提供するサービスに自信と誇りをもって外部に発信していきましょう。
ウチヤマグループ会長 内山文治