さわやか鳴水館がロケ地になった映画「大いなる不在」がいよいよ全国公開。職員も出演します!

さわやか倶楽部が運営する介護施設が、映画のロケ地に選ばれて施設内での撮影が行われました。

今回撮影された映画は「大いなる不在」という作品です。近浦啓監督が北九州市の出身ということで、ご自身のゆかりがある北九州市内各地でロケが行われる中、介護施設のシーンの撮影場所に選んでいただきました。

撮影の舞台となったのは、北九州市八幡西区にある介護付きホーム「さわやか鳴水館」。そしてなんと、施設の職員役として、実際に施設で働いている職員も出演させていただくことになりました。主演の森山未來さんの他、真木よう子さん、藤竜也さん、原日出子さんなど実力派の俳優が多数出演されている中、鳴水館の事務職員・時田恵美子さんがセリフのある役で出演しています。

映画の撮影自体は2年前の3月に行われました。昨年は2つの国際映画祭で受賞(※)するなど海外での評判が高く、日本でも公開前から話題になっています。今年の5月22日には、近浦監督ご自身が完成した映画のポスターを持って鳴水館を訪問され、直筆でサインをしていただきました。このサイン入りポスターは、さわやか倶楽部の全国の施設にも掲示しています。

※第48回トロント国際映画祭、第71回サン・セバスティアン国際映画祭

そしていよいよ全国公開直前の7月4日(木)、北九州市で行われた映画の関係者試写会にさわやか倶楽部も招待を受け、山本武博社長やさわやか鳴水館の職員も参加しました。上映前には近浦監督へのインタビューや北九州市の武内和久市長との対談が行われました。

■近浦監督より
 最初の「大いなる不在」とドンッとタイトルが出る場面の背景は、私が思う北九州市を象徴する場所にしています。今の大人が小さいころに遊んだ場所だと思いますし、私も良く遊びに行きましたので、堪能していただけると嬉しいです。
 北九州市は映画業界でもぜひ撮影に使いたいというような有名な場所ですし、市が協力的でありますから今回の撮影も迷いなく北九州市を選びました。自身の生まれ育った街であり、自然も豊かで今回の映画に合う坂道も多くあります。
 今回の映画は35㎜フィルムにこだわって撮影を行い、細かい描写がしっかり撮影できました。
 撮影時期はコロナ禍であり、いつ次の波がくるかわからない状況でしたが、協力して頂いた方々が快く受けてくれたことに感謝しています。

■武内市長より
 近浦監督の描く世界観が素晴らしかった。北九州市出身で多くの賞を受賞したことも大変うれしく思います。北九州市もこれからも映画業界の力になるため協力していきます。

試写会に参加したさわやか鳴水館の職員からは、映画を見て以下のような感想が寄せられました。

・いつも通勤して働いている場所がそのまま多く使用されていて、うれしく感じました。
・藤竜也さんが認知症の方を演じる演技力にすごく感動しました。
・職員の時田さんの演技力が素晴らしかったです。施設内で主演の森山さんの受付対応をしている場面です。

時田さんの自然な演技には、試写会で映画を初めて見た山本社長も「本物の役者かと思って自然に見入ってしまった」とたいへん驚いていました。

時田さんと山本社長

映画デビューを果たした事務職員の時田さんに、出演した感想などを聞いてみました。


時田さんインタビュー

――映画に出演することになったいきさつを教えてください

介護施設での撮影にあたり、近浦監督から「エキストラだけではなく、日常のその場の雰囲気がほしいので、職員にも出演してほしい」という依頼がありました。

――出演が決まった時の感想はどんな印象でしたか

 役について最初に聞いた感じでは、日常業務の流れで普段自然に行っているようなことで、「セリフを覚える!」というような感じでもなかったので、できるかな!?と思いました。映画に出演するというのは、なかなか一生に一度経験できるようなことでもないので、面白いな、と思いました。

――撮影の時に苦労した点はどんなことですか

俳優さんたちがNGなくスムーズに撮影を進めていたので、迷惑がかからないように、セリフを噛まないようにと意識していました。

――撮影中、印象に残っているエピソードはありますか

映画では、カットされていましたが、藤竜也さんと一緒にエレベーターから降りるシーンがありました。その際、藤さんから「誰がホンモノなんだか。はっはっ(笑)」と、言われ「私はホンモノです」と会話をしたのが思い出に残っています。
森山未來さんや真木よう子さんも気さくな方で、映画中のシリアスな感じとは違い、待ち時間には、他の職員も一緒に談笑しました。森山さんは、気さくに話しかけてくださったり、本棚にある頭の体操の問題を解いたりされていました。真木さんは、入居者様の作った5円玉の亀のキーホルダーを「自分と家族の分」と購入してくださいました。

――試写会で、完成した映画を観た感想はいかがでしたか

主人公の父親役・藤竜也さんの、認知症になりつつあるはざまの演技が、リアルすぎてこわいくらいに感じました。周りの家族の心境にも共感でき、いろいろな家族の立場からも考えさせられました。介護という仕事をしている方には、特に色々と考えさせられるところがあると思います。

――今回の映画出演に関して、周囲の人はどのような反応でしたか

撮影時は、出演したことを知っている人はごくわずかでした。家族や友人へは、公開日が決まってから伝えました。「はぁ!映画にでるん!!」「俳優さんと話ししたん?」「見に行く!見に行く!」と、すごく驚かれました。

――この映画の見所、おすすめポイントを教えてください

北九州市民としては、身近な場所が多く出てくるので「あっ!ここ!」と思いながら観るもの楽しいかも!?北九州市を知らない方も「こんな所があるのか」と、北九州市の魅力を感じていただける映画だと思います。
映画の内容は、今後誰にでも身近に起こりうる出来事でもあり、何度観てもいろいろな視点から考えさせられるので、ぜひとも映画館で観ていただきたいです!!


映画「大いなる不在」は、7月12日から全国の映画館で上映されます。映画の最後に流れるエンドロールでは、時田さんの名前が出演者の上位に出てきます。また、協力会社として「さわやか倶楽部」のロゴが出てくるほか、同じく鳴水館でケアマネジャーとして働く梶原さんの名前も「スペシャルサンクス」で登場します。ぜひ皆さんも映画館に足を運んで、最後まで見逃さないように注目して見てください!

ちなみに、さわやか倶楽部では過去にも映画撮影の舞台となった施設があります。動画配信サイトなどから見ることができますので、こちらもぜひご覧ください。

映画タイトル:「わたし」の人生(みち) 我が命のタンゴ
撮影場所:さわやか螢風館(福岡県北九州市小倉南区)
監督:和田秀樹
出演者:秋吉久美子、橋爪功ほか