ライフマップで生きがい発見!! story44
さわやか春日館(福岡県春日市)
今回は、令和4年にご入居されたT様のライフマップをご紹介します。
T様は糟屋郡出身で大学を卒業された後、自衛官となり、航空自衛隊にて勤務されました。35歳の時に結婚し、長女様がお一人いらっしゃいます。
令和4年2月、自宅で転倒され頭部を受傷。歩行障害と呂律不良を認めた為、病院に搬送されましたが急性硬膜下血腫の診断がでました。右側頭部側頭葉にも脳内血腫を認めており、リハビリを行いましたが軽度の歩行障害が残り、認知機能・短期記憶も低下が認められました。
退院許可が出ましたが在宅復帰は困難な為、ご家族が施設入居を検討され、さわやか春日館に入居となりました。環境の変化もあってか施設内ではなかなか落ち着かれず、一日中エレベーターに乗って1Fフロアと居室を行き来されていました。こちらからお声掛けいたしますが、上手く自分のお気持ちを伝えきれないことにもどかしさがおありなのか、声を荒らげる場面もありました。
そこで私たちは、ケアプランの更新にあたって、T様の思いを知るため、ライフマップを実施しました。
ライフマップを作る中で、「T様はお酒が大好きだったこと」「仕事で全国を回ったけれど旅行はあまり行けなかったこと」などを お話してくださいました。食事のカードをご覧になられた際に、「料理は全然しないけど、カレーライスは作れるよ」とのこと。「食べてみたいです」とお返事すると、はにかんだ笑顔で「出来るかなぁ」とおっしゃいました。「自分はまだ何でもできると思う」「生涯現役」という言葉からT様の自分の可能性に対する思いを知ることが出来ました。
元々食べることがお好きなようで、月に何度か開催される調理レクレーションや喫茶レクレーションには、自ら積極的に参加されております。また、T様が手持ち無沙汰なご様子の際に栄養士からお声掛けし、テーブルの設置やテーブルクロス張りを手伝っていただいたところ、その後はお声かけせずとも積極的にお手伝いしていただるようになりました。今ではそれが習慣となり、不穏状態もほぼ認めなくなりました。ライフマップにもありましたがご本人の「自分は生涯現役でやれると思うけどな」のお言葉通り、役割を持ち、何かを依頼されることで現役時代を思い出されたのかもしれません。ライフマップを通して気づくことが出来たT様の「思い」、いつか調理レクレーションでT様が自家製カレーを振舞ってってくれる日を楽しみにしております。
(計画作成担当者 廣田 大二郎)