介護の未来を語る特別対談 fermata×さわやか倶楽部 ~福岡からFUKUOKAへ~


8月28日、天神のONE FUKUOKA BLDG.にて開催されたVenture Café Fukuokaのイノベーションイベントにおいて、フェムテック領域のパイオニアであるfermata株式会社の栗岡COOとさわやか倶楽部代表の山本社長、バリュークリエイション部の原野部長による特別対談が実現しました。

世界13都市で展開するイノベーションコミュニティVenture Café Fukuokaは、「Connecting innovators to make things happen」をミッションに、起業家、学生、研究者、大企業など多様な参加者が交流し、新たな価値創造を目指すプラットフォームです。


「日本が直面する少子高齢化は『世界最先端の課題』です」——対談冒頭の栗岡COOの言葉が印象的でした。世界中が将来直面する問題の解決策を、日本が今まさに創り出しているという視点です。

実際、fermataへの海外からの問い合わせは前年比50倍に急増。この現象を目の当たりにしてきた栗岡COOは、さわやか倶楽部の取り組みを「福岡発で世界に名を届け始めている先進的な取り組み」と高く評価されました。

「入居者の皆様が、本当にご自分の人生を楽しんでお過ごしいただけているか」——この想いが、さわやか倶楽部の掲げる「入居者様の生きがいづくり」の出発点でした。

従来のケアは「やらせたいこと」が中心。しかし大切なのは入居者様の「やりたいこと」。九州大学との10年間の共同研究で開発した「ライフマップ」について説明すると、栗岡COOは「まさに人が中心の素晴らしいアプローチですね」と深く頷いていました。

議論がテクノロジー活用に及ぶと、山本代表は力を込めて語りました。「高齢者の皆様も承認されたい、輝きたいという想いをお持ちです。テクノロジーを単なる効率化の手段として捉えるのではなく、まだ実現されていない多くの利用価値があることを信じて、入居者様の本当の想いにつながるこれまでにない使い方を追求していきます」

AIが入居者様の人生を歌にする取り組みなどの事例に、栗岡COOは「アナログな人間らしい対応をしながら、AIやデータ化を実現している素晴らしい融合」と感嘆の声を上げました。

対談が業界の課題に触れると、原野部長が現状への危機感を語りました。多くの施設が「介護DXを何から始めたらよいかわからない」状況にあることです。

私たちが北九州に設立した「イノベルベース」は、4〜5年の検証で培ったノウハウを業界全体に還元する拠点。イノベーションとウェルビーイングを組み合わせた造語で、介護を超えた地域課題解決を目指しています。

「オープンイノベーションの考え方が素晴らしい」——栗岡COOのこの言葉に、会場全体が共感に包まれました。

対談を通じて浮かび上がったのは、私たちの取り組みが単なる地域の介護事業を超え、世界的な課題解決モデルとして注目されているという事実でした。人間らしい温かなケアを基盤としながら、テクノロジーを入居者様の喜びのために活用する——この新しい介護のかたちを、「なんでもやってみよう」の精神で皆様とともに発展させてまいります。