利用者の「想い」を可視化するコミュニケーションツールが国際舞台へ
株式会社さわやか倶楽部が九州大学との共同研究で開発した介護アセスメントツール「ライフマップ」が、韓国・光州で開催される第11回光州デザインビエンナーレ(2025年8月30日~11月2日)に出展いたしました。


本展のテーマは
「You, the World: How Design Embraces Humanity」
(あなたという世界:デザインはいかに人間を包み込むのか)
このテーマは、デザインが単なる美しさや機能性を追求するだけでなく、多様な人々を包み込み、誰もが参加できる社会の実現を目指すインクルーシブデザインの価値と意義を強く発信しています。

今回の展示では、世界中のデザイナーや研究者が集い、デザインの社会的役割を議論する場において、介護の現場から生まれた「ライフマップ」が、インクルーシブデザインの実例として紹介されています。
インクルーシブデザインとライフマップ

インクルーシブデザイン とは、従来「少数派」とされてきた人々――例えば高齢者や障がいのある方など――を排除せず、むしろ彼らのニーズを出発点として、誰もが使いやすく価値を感じられる製品やサービスを共に創り上げる考え方です。
単に「使いやすさ」を追求するだけでなく、多様な人々を包み込むことで、従来では見逃されがちなアイデアが生まれ、真のイノベーション創出につながります。


ライフマップとは、ご利用者様一人ひとりの歩んできた人生や大切にしてきた価値観、夢や希望を「見える化」するためのツールであり、職員やご家族と共有しながら日々のケアや生きがいづくりに活かすことができます。介護現場において、ご本人の人生に根差した支援を可能にするだけでなく、地域や異世代の方々との交流を生み出す「共創の場」を広げる役割も担っています。
つまりライフマップは、 「誰もが自分らしい人生を語り、未来を描けるようにするデザイン」 であり、インクルーシブデザインの理念を福祉・介護の現場に落とし込んだ実践例といえます。
国際舞台での意義
今回の光州デザインビエンナーレへの出展は、介護を単なる支援に留めず「人生を共にデザインする営み」として発信する貴重な機会となりました。
「人を包み込むデザイン」というテーマのもと、人生を可視化し、生きがいを支えるこの取り組みが国際的にどのように受け止められるのか、私たちも大きな期待を寄せています。
この国際展示を通じて、より多くの方にライフマップの存在を知っていただき、介護・医療・地域社会のさまざまな場で活用されることを願っています。


