西郷隆盛に学ぶリーダーシップの真髄

【ようやく実現した研修旅行】

 2021年11月27日から29日にかけて、内山さわやか会の研修旅行が行われ、いつもお世話になっている会員企業の方々と一緒に鹿児島へ行ってきました。新型コロナウイルスの影響により、約1年半にわたり延期されていましたが、国内の感染者数が減少してきたことで、今回やっと開催することができました。近畿日本ツーリストの中村様には、当初の計画段階から何度もプランを作り直しては打ち合わせに来ていただき、たいへんお世話になりました。

 旅行中は天気も良く、鹿児島のシンボルである「桜島」の美しい景色を間近で眺めることができました。 第二次世界大戦における日本軍の特攻の歴史を物語る「知覧特攻平和会館」や、ボナーが運営する「コロッケ倶楽部鹿児島ベイサイド店」など、3日間で様々な場所をまわることができました。特に今回印象に残ったのは、西南戦争の戦場跡など西郷隆盛のゆかりの地を巡りながら、その生きざまに触れたことです。

【西郷隆盛の人生に触れる旅】

 西郷隆盛は、薩摩藩の下級武士の家に生まれました。27歳で藩主・島津斉彬の側近として江戸に入り、生麦事件や薩英戦争の緊迫した情勢の中活躍しましたが、その後2年間の島流しに遭います。故郷の鹿児島に戻ってからは薩摩藩のリーダーとなり、有名な「薩長同盟」の締結では中心的な役割を果たしました。そして、同じ薩摩出身の大久保利通らと共に徳川幕府を倒し、明治新政府の成立に貢献したことで、幕末維新の象徴的な存在として知られています。しかし、新政府との意見不一致により、鹿児島から兵を起こして西南戦争の士族軍指導者となり、敗戦を喫し49歳で自決しました。

 今回の旅行では、西郷隆盛が西南戦争で人生の最期を迎える前の5日間、家臣とともに身を潜めて過ごした「西郷洞窟」や、西郷隆盛が創設した士族専用の陸軍養成学校の跡地、西郷をはじめ西南戦争で戦死した薩軍兵士749の墓が立ち並ぶ「南洲墓地」などを訪れました。私学校跡地に残った石垣には、当時の戦争の激しさを物語る銃弾の後がたくさん残っていました。明治維新の頃の話は私も過去に歴史小説や人物伝などを何冊も読んだことがあり、西南戦争の戦跡を巡る中で、西郷隆盛の新しい国づくりにかけた思いや無念さが伝わってくるような感覚になりました。

【成果を出せるリーダーとは】

 西郷隆盛の座右の銘は「敬天愛人」。天を敬い、人に対して慈愛の心を持つことが大切という意味です。西郷はその言葉通り、どんなことに対しても公正平等に物事を進め、身分や男女に関係なく分け隔てなく接する姿に、多くの人が慕っていたといいます。人の心に寄り添い、時には自分を犠牲にしてでも周りのことを考えて行動できる、とても優しい人物だったようです。

 現代においても、リーダーとして人の上に立つ人は、西郷隆盛のように誰に対しても変わらぬ優しさと自分の成すべき使命を全うするための信念を持ち、チームの仲間を一つにまとめ、目標達成に取り組む姿勢が必要です。チームをまとめるためには、部下や仲間からの「信頼」を得なければなりません。リーダーたるもの「有言実行」で夢を語り、いかにして皆で社会に貢献するかを示す必要があります。

 ウチヤマグループでも、組織が年々大きくなるにつれて、新たなリーダーが各地で誕生しています。幹部社員がリーダーシップを発揮しながら部下に手本を示し、チームの全員が団結してさらに社会へ貢献できるよう、新たな学びと挑戦の機会を増やしていきましょう。

ウチヤマグループ会長 内山文治