真の優しさと愛情を伝えよう

【緊急事態宣言の解除】

 長く続いていた緊急事態宣言が解除され、日本国内の経済活動も徐々に様々な自粛が解かれつつあります。休業が続いていたボナーのカラオケ店や飲食店も、各地域の休業要請の解除に伴って少しずつ営業を再開し、6月12日にようやくカラオケ全店の営業が可能になっています。とはいえ、まだまだ営業時間は多くの店で短縮した状態で、団体での利用も制限するなど、以前と同じようにお客様に足を運んでいただけるようになるには、もうしばらく時間を要すると見られています。また、店舗の営業が再開されても、ウイルスの感染リスクがゼロになったわけではありません。お客様が安心して利用できるよう、店舗内のウイルス感染予防対策は今後も継続していく必要があります。

 さわやか倶楽部の介護施設においても、外部からの面会制限を続けてきましたが、6月に入ってから一部の地域を除いて制限の解除を行っています。施設に入居されているお客様やご家族様にとっては、直接お互いの顔を見て会話することができない状況が続くことになり、たいへんご心配をおかけしていましたが、「この時期だから仕方がないですね」と多くの方々が快くご理解・ご協力していただき、本当に感謝しています。

【新しい生活様式への対応】

 新型コロナウイルスの脅威は、特効薬やワクチンが開発されるまで、なくなることはありません。少し前まではコロナが終息した後の世界「アフター・コロナ」がどうなるのかと語られる時期もありましたが、最近ではコロナと共存していく「ウィズ・コロナ」の考えのもとに仕事や生活のあり方を見直す風潮が強くなっています。

 新型コロナウイルスの拡大によって、世界全体の生活様式が変わろうとしている中で、私たちの働き方、お客様へのサービスも変化が求められています。今まで当たり前のように行っていた仕事に制約が加わり、思うように動けなくなっている一方で、これからの時代に合わせた新しいサービスが続々と生まれています。今回のコロナショックは、人類にとってのピンチばかりではなく、捉え方によってはチャンスをもたらすきっかけにもなりうるのです。常に社会の動きを勉強し、時代の先を読んで前向きに行動する人だけが、次のチャンスをつかむことができます。

【いつの時代でも変わらないもの】

 時代の変化に沿って仕事の方法は変わっていきますが、その根底にある姿勢や考え方は変わりません。「慈愛の心・尊厳を守る・お客様第一主義」という基本理念は、いつの時代でも守っていくべき私たちのポリシーであり、存在意義にも直結するものです。

 5月10日の母の日、さわやか倶楽部が運営する多くの介護施設では、職員が女性のお客様へ日頃の感謝の気持ちを込めて、カーネーションの花やメッセージカードを贈りました。ご家族との面会が叶わない中で、この取り組みに感動された入居者様も多く、北九州市の住宅型有料老人ホーム「さわやか和布刈弐番館」に入居されている山本様からは本社にお礼のはがきを送っていただきました。

 また、大分県別府市にある温泉ホテル「さわやかハートピア明礬」では、手書きのはがきを作成し、常連のお客様へ発送しました。外出の自粛要請が続いて旅行を控えるお客様が多い中、来館を呼びかける内容ではなく、お客様の体調にお変わりがないかお伺いしながら、別府の風景写真を入れてホテルの近況をお伝えするものでしたが、そのはがきを見られた多くのお客様が「頑張ってください」「コロナが落ち着いたら必ずまた行きます」と元気づける電話やおたよりをくださり、職員にとっての励みにもなっています。

 喜びや感動は、何気ない一言や少しの気遣いによる行動から生まれることもあります。いつも基本理念を念頭に置いた判断や行動をしていれば、優しさや愛情は必ず相手に伝わります。その積み重ねがお客様との信頼の絆を育み、会社全体のイメージや業績の向上に繋がっていきます。新型コロナウイルスが世の中に不安を増大させている今だからこそ、私たち一人ひとりが『真の優しさと愛情』を発揮して、お客様に心の安心と生きる喜びを感じていただけるように心がけましょう。

ウチヤマグループ代表 内山文治