大好きな趣味をいつまでも続けたい

ライフマップで生きがい発見!! story38
さわやかふか家の里(埼玉県深谷市)

H様は以前、ケアハウスにてご夫婦で生活されていました。2022年3月にご主人様が骨折をされたためケアハウスでの生活が困難になり、ご主人様のみ別の施設へ移動となってしまいましたが、ご夫婦揃っての生活をさせたいという娘様の希望もあり、2022年9月に「さわやかふか家の里」へご夫婦そろってのご入居となりました。

ご入居当初からH様より「趣味の刺し子を続けたい」との思いを伺い、お部屋での作品作りができるよう、刺し子の道具等は居室の外へ持ち出さない事を条件にスタートしました。またその際に、施設として「生きがいづくり」をどう提供できるか、まずはH様の思いをお聞きしたいと考え、ライフマップを使って伺わせて頂きました。

H様のライフマップ

刺し子については娘様から勧められたのがきっかけで、5年程前から始められたそうです。H様は小さい頃より細かい手作業が好きだったこともあり、みるみる上達されたようです。また、体を動かすことも好きで、日本舞踊・フラダンス・社交ダンスなどもされていたようです。

また、義理の息子様がアメリカで結婚式を挙げた際は着物姿で参加され、現地の方より「ジャパニーズ、ジャパニーズ」と声をかけられてとても好評だったようです。このことをきっかけに、ご主人様やご友人ともスイスやフランス、アメリカなど海外のあらゆる場所へ旅行に出掛けて楽しまれたことを話してくださいました。

ライフマップを通して様々なお話をお聞きして、H様の生きてきたご様子を垣間見ることができました。

現在の思いを伺うと「これからも、やれるうちは刺し子を続けたい」との思いをお話してくださいました。出来上がった作品を拝見すると本当に素晴らしい作品ばかりでしたので、施設の中で展示をして皆様にもぜひご覧になって頂きたいと思いご相談しました。

H様は「恥ずかしいからいいわ」と最初はお断わりされましたが、あきらめずに何度かお願いしてご了承いただき、食堂に展示させていただくこととなりました。季節ごとに、それぞれの作品に名前を付けて展示したところ、他のご入居者様からも「素敵ね」「きれいね」とのお言葉をかけてもらい、作品作りの更なる励みになっているようです。

現在は花瓶敷き、コースター、のれん、食堂の展示物など、H様の作品がふか家の里のあらゆる場所をとても素敵に彩ってくれています。来館されたお客様にも、ご入居者様の作品であることをお伝えすると、とてもびっくりされます。

今後もライフマップを活用し、ご入居者様の「生きがいづくり」を応援させていただき、毎日の生活をいつまでも心より楽しんでいただけるよう、職員一同で支援を行ってまいります。                                             

(計画作成担当者 齋藤 美智子)

※「刺し子」とは、今から約500年前に布の補強や寒さをしのぐための暮らしの知恵として、東北地方を中心に広まった伝統手芸です。藍色の木綿布に白糸で刺す手法が主流でしたが、最近は布、糸とも様々な色合いで作られるようになっています。