感染発覚の経緯とその後の対応について
5月28日に入居者のA様が骨折され、北九州市内の病院に入院となり、レントゲンに肺炎像が映っていたことから念の為PCR検査の対象となりました。発熱やせきなどのコロナと疑われるような症状はまったくなく、施設内の感染症予防も十分に行っていたつもりでしたので、陰性だと思い込んでいましたが、翌日に出た検査結果はまさかの「陽性」でした。病院からの知らせを受けてたいへんショックを受けましたが、動揺している暇もなく、事務職員5名を中心として関係者等への連絡や施設内の感染拡大防止の取組を早急に開始しました。
それから10日間、気が休まらない日々が続きました。職員やその家族、入居者様やその家族様の不安は大きく、施設への問い合わせが止まりませんでした。デイサービスは5月30日から6月16日まで休業し、特定施設の新規受け入れとショートステイの入居・退去もその期間はストップしました。私も5月29日から施設に約1週間泊まり込み、職員と情報共有しながらお客様や家族様の対応を行っていました。職員自身も感染リスクの不安を抱える中で「とにかく今やれることを全員で必死にやろう」と呼びかけ、北九州市の介護保険課や保健所の方々のご指導・ご協力を頂きながら、日々の介護業務の見直しと改善、館内の消毒等を行っていきました。
しかしそんな努力も空しく、別の病院に入院されていた方など新たに4名の入居者様にコロナ感染が発覚しました。どこまで感染が広がっているのか予測もつかず、私たちも心が折れそうになっている中で、内山社長をはじめウチヤマグループの仲間たちから温かい寄せ書きが届き、施設に来てくれているヤクルト様からも差し入れを頂くなど、私たちに関わる多くの人たちが支えてくれたおかげで、入居者様の対応を続けることができました。その後、濃厚接触者となる92名のPCR検査では、1人の感染者も出ませんでした。
今回コロナに感染した入居者のB様は「私が罹るなんて思ってもいませんでした。すごく怖かったけど、病院の看護師さんも優しかったし、施設に戻っても皆さん優しく迎えてくれたので安心しています」と退院後にお話をしてくれました。
さわやか倶楽部の施設で最初にお客様の感染が発覚し、どのように対応してよいのか分からない状況下で、さわやか鳴水館の職員が一丸となって対応してくれ、無事収束を迎えることができました。二度と経験したくはありませんが、すごく勉強になりました。これからも継続して感染症対策に努めるとともに、私たちの経験で他の施設に役立つことがあれば積極的に協力したいと思います。多方面から助けて頂いた方々には感謝の言葉しかありません。本当にありがとうございました。
さわやか鳴水館
施設長 櫻木良太
2020年7月 社長賞受賞
櫻木施設長とさわやか鳴水館の職員による入居者様への献身的な対応に、社長賞が贈られました。